(英エコノミスト誌 2019年8月24日号)

デフレ脱却について記者会見する日銀の黒田東彦総裁(2015年、写真:ロイター/アフロ)

 1920年代のこと。英国の小説家E・M・フォースターは、ストーリー(物語)とプロット(話の筋)の違いを論じた。

 それによると、「国王が亡くなり、その後王妃が亡くなった」とすればストーリーになる。だが、プロットを単なる出来事の羅列以上のものにするには、因果関係をにおわせることが必要だという。

 上の例なら「国王が亡くなり、その後、悲しみのあまり王妃が亡くなった」とすればプロットになる。

 投資家は誰にも負けないほどストーリーを好むが、ストーリー以上に好きなのがプロットだ。

 なかなか廃れず、最近になって再び取りざたされているのが「日本化」の話である。

 フォースター風に要約するなら、「バブルが崩壊し、人々は慎重になり、経済は物価と金利の低下を止めることができないほどの低成長にはまり込んだ」となるだろうか。

 最も深刻な日本化は悲劇そのもので、多額の債務を抱える高所得国は日本のたどった道を歩むことになる。

 それよりもソフトな日本化の場合は、ドイツなど労働力人口の高齢化が急速に進んでいる国だけがその道を進んでいく。