韓国の首都ソウルでGSOMIAの破棄を求めて座り込みをする人たち(写真:AP/アフロ)

 現在韓国では反日デモはいつの間にか反安倍デモにすり替えられている。

 土曜日ごとに開かれる光化門の反安倍デモに参加する人たちに話を聞くと、彼らからは紋切り型の答えが返ってくる。

「自分たちは日本という国が嫌いだとか、日本人が嫌いなわけではない。『反安倍』つまり、一度も謝罪せず反省をしないばかりか、韓国に経済戦争をけしかけてくる安倍に対して反対運動をしているのだ」

 たまに、日本人を見かけると「消えろ、うせろ」と罵倒する人もいたが、それはほんの一握りで、あたかも自分たちは常識人であることを誇示するかのように、落ち着いてデモの趣旨を語る。

 反安倍デモを見ていると、参加者はカップルや親子連れ、労組団体など様々で、デモ自体はフェス形式なので(韓国では『ロウソク文化祭』という)、みな楽しそうにしている。

 歌手が出てきて歌うので聞いていると、「売国奴18人」という題で内容は彼らの考える売国奴に関する内容だったり、歌を歌いましょうというので聞いていると「ノーアベソング」だったりと、日本人なら苦笑いしそうな内容である。

 筆者は朴槿恵前大統領を弾劾させようとしたロウソク集会に参加したことがある。その時の参加者数に比べれば今回はずっと少ない。

 実は反安倍デモのちょうど隣で、韓国旗と星条旗、そしてイスラエルの国旗を掲げた右派の集会の方により多くの人が集まっていた。しかし、それはあまり報道されていない。

 さて現在、韓国のニュースで一番取沙汰されているのは、反日でもノーアベでもなく、チョ・グク法務部長官候補家族の不正である。