(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年8月20日付)

中国・美団天評のフードデリバリー事業「美団外売」(写真:Imaginechina/アフロ)

 レストラン産業の拡大は、1789年のフランス革命が生んだ予想外の波紋だった。

 貴族が処刑で頭を失うと、その料理人が仕事を失った。街頭に放り出されたシェフたちは、大衆向けのレストランをオープンし、おなかをすかせた革命家に食事を与える新しい暮らしを見い出した。

 革命直前の1784年にパリのパレ・ロワイヤルのアーケード内にオープンし、今も営業しているフレンチレストラン「ル・グラン・ヴェフール」は、最も壮大な例の一つだ。

 看板メニューの「フリカッセ・ドプーレ・マレンゴ(鶏煮込み)」はナポレオンの有名な軍事的勝利を祝った料理だ。

 だが、もしレストランが革命から生まれたのだとすれば、多くのレストランは革命で死ぬことになるかもしれない。

 最新の技術的な革命は中間業者を「中抜き」し、買い手と売り手がより早く、安く、より直接的な方法でニーズをマッチングすることを可能にしているからだ。

 中国のアリババ集団、米ウーバーテクノロジーズといったインターネット企業やベンチャーキャピタルは、レストランや、安価な立地にある大規模キッチンから料理を直接消費者の玄関先に届けることを狙ったフードデリバリー企業や「ダークキッチン」業者に莫大な資金をつぎ込んできた。

 高齢者向けの給食宅配として使われてきた「Meals on wheels」という言葉は新しい意味を持つようになった。

 世界中でタクシーカルテルに戦いを挑んだ後、ウーバー創業者のトラビス・カラニック氏はレストラン業をひっくり返そうとしている。