(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年8月8日付)

銃乱射事件の町、住民はトランプ氏訪問に反対 テキサス州

米テキサス州エルパソにある銃乱射事件のあったウォルマートの前で、犠牲者を追悼し花を供える人々(2019年8月6日撮影)。(c)Mark RALSTON / AFP〔AFPBB News

 米国では今世紀のどこかの時点、おそらく半ばに近いところで、白人が絶対多数の座を失う可能性がある。

 これを気にするべきか否かに関係なく、白人たちは気にする公算が大きい。それもこの共和制国家の政治を、場合によっては平和そのものを乱してしまうほどにだ。

 ほかの人種に追い立てられるというこの感覚は、10年前に見られたティーパーティー(茶会)運動の盛り上がりに少なくとも一役買った。

 ドナルド・トランプ大統領が政治家として台頭したことも、同じ不安感に言及することなしには説明がつかない。

 そして現時点で判明している情報を踏まえ、かつ然るべき注意を払いつつ因果関係を想定する限り、8月3日にテキサス州エルパソで22人を殺害した男は、自分たち白人が「取って代わられること」に悩まされていた。

 人種の多様化に米国がどう対処するかは、ほかの西側諸国にとって大きな意味を持つ。なぜならほかの国々も、程度やペースは異なるとしても、いずれ同じ途をたどるからだ。

 従って、米国が落胆に屈するかどうか、未来が大混乱に満ちているという感覚に屈するかどうかを見過ごすことはできない。

 ここで取られるバランスは不安定だ。米国は、エルパソの凶行は単発の事件であって何の背景もないなどとごまかしてはならない。

 白人ナショナリズムというものに、これまでよりも真剣に向き合わなければならない。