韓国の首都ソウルの中区に掲げられ、外国人の多くも違和感をもって見つめる「日本製品ボイコット」を訴える旗。市民団体の抗議を受けて取り除かれた。(写真:AP/アフロ)

 韓国では、日本による輸出規制強化を受けて、日本製品不買運動が起こっている。

 韓国で今行われているデモは、他国で行われているデモや不買運動と比べてみると、かなり違っていて、奇妙だ。

 デモや不買運動は、人々が生きるための安定した生活、それが脅かされたときに、自己防衛で自発的に行われることがほとんどだ。

 だから、個人が自己主張のために自分でプラカードを作り、そしてそれを担いでデモの会場に集まる。

 1989年中国天安門事件の集会、2008年チベット騒乱、2010~2012年アラブの春、2014年香港反政府のデモ、2014年台湾のひまわり学生運動、2019年マクロン政権批判デモ、2014年ミズーリ州黒人青年射殺事件への抗議デモ・・・。

 これらを見れば、参加者それぞれが、自作したプラカードを持って抗議していることが見て取れる。

 ところが、今回の韓国の非難デモ・不買運動を見ると、一つの特徴が明瞭に現れている。

 非難デモでは、同じビラやプラカードを手にして叫んでいるし、不買運動では、同じビラが貼られている。

 つまり、ある特定の主催者がそのビラやプラカードを製作して、参加者に配布しているということだ。「誰かが陰で扇動している」と読み取れる。

 非難デモの一つひとつを分析し、その結果、異様と判断される点を紹介する。