(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年7月31日付)

米FRB、約10年ぶりに利下げ トランプ氏は「失望した」と批判

米首都ワシントンで記者会見に臨む米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長(2019年7月31日撮影)。(c)ANDREW CABALLERO-REYNOLDS / AFP〔AFPBB News

 8月第1週は世界経済にとって、不安感を引き起こす決定的な週になる。

 米連邦準備理事会(FRB)が利下げに踏み切るからではない。その利下げがわずか2.25~2.5%という、際立って低い水準からスタートするためだからだ。

 景気の拡大が10年以上続いているのに、そして関税やら減税やらいろいろな状況があるにもかかわらず、米国の金利はせいぜいこの水準までしか上がらないように見える。

 欧州中央銀行(ECB)は、すでにマイナス圏内にある金利をさらに引き下げるかどうかを議論している。

 この7月までは、金利はいずれ世界金融危機以前の水準(4~5%)に戻るかもしれないと考えることもできた。今となっては不可能だ。

 FRBの幹部らによれば、長期的には金利は2.5%の水準で落ち着く見通しだという。ここからFRBが目標とするコアインフレ率(2%)を差し引けば、資本が享受する実質利回りはわずか0.5%となる。

 欧州や日本について同じ利回りを計算すれば、これよりはるかに低くなることはほぼ間違いない。

 金利がここまで低くなることは、昔を思えば非常に大きな変化である(2000年というつい最近でもフェデラルファンド金利は6.5%あり、それを実質化した金利は約4%だった)。

 金利は人々の経済生活のほぼあらゆる場面に関わってくるにもかかわらず、先進国は依然、その結果については受け入れようとしていない。