(英エコノミスト誌 2019年7月27日号)
ロシア東部ウラジオストクで開催中の「東方経済フォーラム」で握手を交わす同国のウラジーミル・プーチン大統領(右)と中国の習近平国家主席(2018年9月11日撮影)。(c)Dmitri Lovetsky / POOL / AFP〔AFPBB News〕
中ロのパートナーシップがどれほど中国側に有利かが明らかになるのは数年先かもしれない。
これこそが、まさしく国際政治の三角関係だ。第2次世界大戦以降、中国、ロシア、米国は繰り返し、パートナーを取り換えてきた。
中国と旧ソ連の協力関係はヨシフ・スターリンの死後崩壊し、1972年にはリチャード・ニクソンが中国を訪問、そして30年前にはミハイル・ゴルバチョフが中国とのデタント(緊張緩和)を成し遂げた。
現在はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席がペアを組んでいる。ロシアによるクリミア併合後の2014年に強固になった関係だ。
これまでの事例を見ると、3カ国のうち孤立してしまった国が、軍事、外交の面で無理を強いられるという形で代償を支払うのが常のようだ。
今回は違う。孤立しているのは米国だが、対価を払わされているのは主にロシアだ。
中ロのパートナーシップのあらゆる面を中国側が牛耳っている。中国の経済規模はロシアの6倍(購買力平価ベース)。しかも、ロシアが徐々に衰えている一方で、中国の力は伸びている。
西側諸国に背を向け、ロシアの影響力を強める絶好の方法に思えた戦略は今、ロシアが抜け出すのに苦労するワナのように見える。
ロシアは対等なパートナーどころか、中国の朝貢国になる道を歩みつつある。