米ニューヨークで開催された大麻関連商品の展示会。2019年5月30日(写真:AP/アフロ)

 大麻取締法の「所持」でアイドル・グループ「KAT-TUN」の元メンバーと同居の元女優の裁判、そして人気ロックバンド「Dragon Ash」のメンバーらの逮捕がこの7月も報じられた。覚醒剤に次いで大麻による検挙者は多く、毎年3000人に上っている。

 筆者は7月9日付JBpress小論(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56950)で、「トランプの日米安保不満は日本にチャンス」という記事を上掲した。ただ、副見出しを「大麻取締法の破棄で得られる物凄い経済効果」とした。

 安保見直し議論が出ていることをチャンスとして、日本の繁栄を阻害しているGHQ(連合国軍最高司令部)主導の大麻取締法を破棄したらどうかという提案であった。

 その6日後の「産経新聞」(7月15日付)は5面中央6段抜き写真入りで、「娯楽用大麻解禁 米で陰り」「NY州断念 隣州は採決できず」「税収魅力も 根強い不安」という記事を掲げた。

 誤解されるといけないが、この記事は娯楽用大麻の議論で、世界の潮流になっている産業用大麻のことではない。

 OECD(経済協力開発機構)加盟国の中でも日本のGDPの伸びは最低クラスで、貯金の利率はほぼ0%が続いている。

 成長産業を抑えられているのではないかと考えていたとき、米国、GHQ、大麻、そして山下奉文の遺訓「日本は自らが考える風土を作ることによって繁栄する」が連想ゲームのようにつながった。

 大麻取締法の執行に反対しているのではない。ただ、同法の制定そのものに不条理があるのではないかと、日本の風土や歴史・伝統に鑑みての考察である。

店頭に並ぶ「おがら」

 お盆を前にちょっと大きなスーパーなどには長さ1メートル前後、直径1~2センチ位で中空の「おがら」が並べられている。お盆の迎え火や送り火として「おがら」を焼く風習「おがらやき」は、昔から全国の地方に分布する日本人の伝統である。

 ひらがなで「おがら」と書いてもピンとこないが、漢字では「麻幹」である。すなわち麻、こんにち言うところの大麻の茎から皮を剥ぎ取った残りの幹である。われわれが常用する七味唐辛子にも大麻から採った「麻の実」が入っている。

 広辞苑で「大麻」を検索すると、次の4つに区分されている。