(英エコノミスト誌 2019年7月13日号)

米経済、2020年に急激に悪化か IMF首席エコノミストが予想

米ロサンゼルスのロングビーチ港で、コンテナ船に掲げられた米国旗(2018年9月29日撮影)。(c)Mark RALSTON / AFP〔AFPBB News

 世界中の投資家、企業、中央銀行が、一つの驚くべき事実と格闘している。

 研究機関の全米経済研究所(NBER)によれば、米国の景気拡大は7月末で121カ月に達し、1854年に統計を取り始めて以来最も長い拡大局面になる。

 過去の歴史にならえば、景気後退は間もなく到来する。憂鬱になっている人も多い。

 債券市場は警鐘を鳴らしており、長期金利が短期金利よりも低くなるという、しばしば景気下降の前触れになっている現象が生じている。製造業者も慎重になり、企業の景況感指数が急低下している。

 ただ、株式投資家はまだ元気だ。株式市場は好調そのもので、年初来の上昇率は19%に達している。

 また6月の非農業部門の雇用者数は22万4000人も増加した。伸び率に換算すれば、労働力人口の増加率の2倍を超える。

 こうしたことから、非常に重要な疑問が浮上している。米国経済は国内総生産(GDP)で見れば世界経済の4分の1を占めており、ここが転べば世界経済全体が転んでしまう。

 しかし、もし景気拡大をさらに続けることができたら、それは豊かな国々の景気変動の法則を見直す時期が来ているということになるのだ。

 矛盾するシグナルは、現在の景気拡大局面が異例なほど弱々しく、かつ長く続いていることを反映している。