(英フィナンシャル・タイムズ紙 2019年6月28日付)

英裁判所、ジョンソン前外相の出廷命令を無効とする判断

英ロンドンの自宅を後にする、保守党のボリス・ジョンソン議員(2019年6月7日撮影)。(c)LEAL-OLIVAS / AFP〔AFPBB News

 ボリス・ジョンソン氏が英国の新首相になりそうな雲行きだ。

 テレグラフ紙で同氏の上司だったマックス・ヘイスティングス元編集長は6月末、次のように書いた。

「(ジョンソン氏が)悪党か、それともただの不良なのかを議論する余地はある。しかし、真実を軽蔑する姿勢ゆえにモラルが欠如していることについては、議論の余地はあまりない」

 筆者自身は、彼ほど適任でない首相は英国の歴史を振り返ってもちょっと見当たらないと考えている。

 ジョンソン氏だけではない。今日の英国で最も影響力のある政治家は、狂信的なアンチ欧州連合(EU)のナイジェル・ファラージ氏だ。

 また、ジョンソン氏が首相になれば、そのライバルは労働党のジェレミー・コービン党首になる。ベネズエラのウゴ・チャベスを称えていた御年70歳の左派だ。

 米国は英国よりも先を進んでいる。ドナルド・トランプ氏は人格上の問題点――特に、病的な虚言癖――をいくつも抱えている点で、他に類を見ない米国大統領だ。

 20世紀に自由な民主主義を救った2つの国が、善悪を判断する基準を見失ってしまった。多くの市民はもう、自分たちの指導者が悪党かどうかも気にしなくなっているようだ。