(英エコノミスト誌 2019年6月29日号)

イラン、米の追加制裁は外交の道筋「永久に閉ざす」

ライフルを手にして演説するイランの最高指導者アリ・ハメネイ師。同国首都テヘランにて(2019年6月5日提供)。(c)AFP PHOTO / HO / KHAMENEI.IR〔AFPBB News

イスラム法学者の核保有を防ぐ方法は、対決ではなく交渉だ。

 イランの核武装への道は4年近くにわたって阻まれた。

 米国やその他の列強と2015年に交わした合意により、核開発プログラムは発電など民生用に限定され、史上最も厳しい査察を受けることになった。

 専門家たちは、イランはこの約束を守っており、核活動も抑制されているとの見方で一致していた。

 ところが、米国のドナルド・トランプ大統領が核合意を破棄し、イランは低濃縮ウランの貯蔵を再開した。貯蔵量は、核合意で定められていた上限の300キログラムを程なく超える。

 イランはこの節目を超えることにためらいを覚えるかもしれないが、ウランの濃縮度を高める意向もちらつかせている。実行されれば核爆弾を製造できるレベルに近づくことになる。

 幸い、イランはすぐに核保有国になろうとしているわけではない。

 イランのブレークアウトタイム(核爆弾1個分の燃料の製造に要する時間)は1年を上回る。しかし、米国への圧力を強めるために核開発プログラムを再度利用していることは間違いない。

 これが、すでに荒れている両国の関係に、爆発力を有する新たな要素を持ち込む。