(英エコノミスト誌 2019年6月22日号)

砂漠にたたずむ文化のオアシス、米テキサス州マーファ

米テキサス(Texas)州マーファ(Marfa)を横切る線路(2014年3月2日撮影)。(c)AFP/Veronique DUPONT〔AFPBB News

 ケーブルテレビ・ニュース版の米国では、ホワイトハウスの執務室に陣取った大統領が、国家を大きく変える命令を出している。

 実際はそうではない。

 現実版の米国では、最大級の政治的選択の多くが首都ワシントンではなく州によって、特にそのうちの2州によって下されている。

 テキサスとカリフォルニアは米国で最も大きく、最も横柄かつ重要な州であり、どちらも自分こそが米国の将来だと同じくらい強く自負している。

 ここ数十年間は正反対の方向に進んできたため、一種の実験が行われる形にもなっている。

 米国は、税金が安くて規制が少なく、政府が市民にあれこれ提供しない「テキサス型」の方がうまくいくのか、それとも税金が高くて規制が厳しく、気候変動のような大きな問題――普通なら連邦政府の仕事と見なされる問題――に取り組むことが州政府の役目になっている「カリフォルニア型」の方がうまくいくのかを明らかにする実験だ。

 ワシントンの政治が長らく機能不全に陥っていることから、この実験の結果は次の大統領選挙の勝者にも引けを取らないほど米国がどんな国になるかを決定づけることになる。

 ここには規模も作用している。

 米国人の5人に1人はテキサスかカリフォルニアを故郷と呼ぶ。2050年までには、これが4人に1人になる見通しだ。