(英エコノミスト誌 2019年6月15日号)

香港政府、「逃亡犯条例」デモ隊に解散と法順守呼び掛け

香港政府や立法会(議会)付近の道路を占拠した「逃亡犯条例」改正案に反対するデモ隊(2019年6月12日撮影)。(c)Philip FONG / AFP〔AFPBB News

巨大なデモが香港政府と北京の指導者層を揺さぶった。

 6月初旬に香港を揺るがしたデモ参加者たちは3つの点で際立っている。

 まず、その数がけた外れに多い。数十万人が街頭に繰り出し、香港の中国返還(1997年)以降で最大のデモだった可能性がある。

 第2に、そのほとんどが若者だった。それも、英国統治時代に郷愁を覚えるには若すぎる年代の若者たちだ。

 北京政府の荒っぽいやり方に対する彼らの不満は借り物ではなく、完全に自分たちのものなのだ。

 第3に、その若者たちは目を見張るような勇気を示した。中国共産党は2014年の「雨傘運動」以降、これ以上の不服従は容認しないという姿勢を明確にしてきた。

 それでも巨大なデモの3日後、参加者たちはゴム弾や催涙ガス、合法的な報復に敢然と立ち向かい、自分たちの主張を行った。

 多くの香港市民が理解しているように、こうしたことはすべて、この都市の将来そのものが危険にさらされている証左だ。

 表面的には、デモの理由は一部の人にしか関係のない技術的なテーマをめぐるものだった。

 台湾で恋人を昨年殺害した容疑をかけられている香港住民がおり、香港の現在の条例では、この人物の身柄を裁判のために台湾に引き渡すことができない。