(英エコノミスト誌 2019年6月8日号)

「近隣国の主権侵害をやめよ」 米国防長官代行 中国に警告 アジア安保会議

シンガポールで開催されているアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)で講演する米国のパトリック・シャナハン国防長官代行(2019年6月1日撮影)。(c)ROSLAN RAHMAN / AFP〔AFPBB News

 何でも持っているアジアの防衛大臣には、どんなお土産を持っていくべきか。

 洋上で原油の違法な積み替えを行っている北朝鮮の船舶をとらえた「美しい」フォトブックなどどうだろうか。

 米国のパトリック・シャナハン国防長官代行は、粒子の粗い航空写真を並べた資料を中国の魏鳳和国防相に差し出した。

 国防関係の大物が年に一度集まるアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)が、5月31日から6月2日までシンガポールで開催された際の出来事だ。

 これは険悪な雰囲気が漂う時期に相手をなだめようとするジェスチャーだった。

 舞台裏では魏鳳和国防相に何を言うつもりなのかという筆者の問いに対し、シャナハン氏が挙げたのは華為技術(ファーウェイ)についての非難でも南シナ海をめぐる抗議でもなかった。

 協力できる分野を探ることに「わくわくしている」と答えたのだ。

 実際、北朝鮮の制裁破り――中国の近海で行われることが多い――は、そうした分野のリストでトップに挙げられていた。そのような協力が実現すれば、米国と中国が「建設的なやり方で競争する」のも可能であることを示すだろう。

 米国防総省(ペンタゴン)は6月1日、インド太平洋地域戦略のなかで、その競争に向けた計画を明らかにした。