サッカーだけではない。2006年に行われた第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では野球韓国代表が第1次ラウンドに続き、第2次ラウンドでも日本代表に連勝。日本代表・イチロー(当時シアトル・マリナーズ)の発言が韓国メディアの報道によって「韓国は30年間日本に勝てない」と曲解され、それを真に受けていた韓国代表は喜びの余りにエンゼル・スタジアムのマウンドに自国の太極旗を突き立てるというパフォーマンスを強行し、ひんしゅくを買った。
それでいながら2009年の第2回WBCでも韓国代表は同じ愚行を平然と繰り返している。2次ラウンドで日本代表に勝利すると懲りずにペトコ・パークのマウンドへ再び太極旗を刺し、悪びれる様子もなく全員で喜びを分かち合っていたのだ。
第1、2回WBCともに筆者は韓国代表チームの〝太極旗パフォーマンス〟を現地で取材しながら嫌な気分を味わったが、同じ現場にいた米国人記者たちも「どの競技においても自分の国の国旗を突き刺すという行為は許されない」「韓国は相手国へのリスペクトが欠けている」などと口々に批判を向けていたことを鮮明に覚えている。
一部の愚行で霞む、真面目な韓国人選手の頑張り
韓国から海外に飛び立ち、活躍中の選手は今も数多くいる。これまで筆者はサッカーの孫興慜(ソン・フンミン=トッテナム・ホットスパーFC)、野球の秋信守(チェ・シンス=テキサス・レンジャーズ)を取材する機会に恵まれ、2選手とも非常に向上心が高く人間的にも素晴らしいと感じた。真面目に努力している韓国の選手も大勢いるのだ。ところが、韓国代表を巡ってコンスタントに噴出する反スポーツマン的行為が彼らの頑張りに水を刺すかのごとく「嫌韓ムード」にどんどん拍車をかけていく。いくら頑張っている選手が中にはいても、吹き荒れる逆風によって韓国人選手の評判を落とすことにつながってしまうのである。
日本人の抱く韓国への感情も従軍慰安婦をめぐる財団解散、徴用工訴訟、レーダー照射などの難題によって最悪の状況だ。まずはスポーツの世界からでもいい。韓国側が「今の自分たちのスタンスではまずい」と現状に危機感を覚えることが先決ではないか。個々に常識とマナーの徹底を図り、意識改革を履行させていかなければ、日本を含め世界中からソッポを向かれることになる。もちろん自分のような立場の人間が偉そうに提言したところで、韓国が変わるはずもないだろうが・・・。ただ、今の姿勢のままでは韓国がスポーツ界でも凋落の一途を辿っていくことは目に見えている。