その余波を兄貴分たちもモロに受けてしまった。ポーランドで行われているサッカーU-20ワールドカップに参加中のU―20韓国代表だ。4日に行われたばかりの決勝トーナメント1回戦ではU―20日本代表を下して8強入りを果たしたものの、アジアの宿敵を下しながらイレブンたちの喜びは控えめで表情もどこか冴えないようにも見えた。

 それもそのはずでチームの面々は〝トロフィー騒動〟が発生した直後、宿舎に急遽集められると大韓サッカー協会のキム・パンゴン副会長から異例の形で直々に「韓国を代表するチームとして品格と礼儀を厳守し、あらゆる行動に細心の注意を払うように」と言い渡されていたのである。

 日韓戦もとい韓日戦に勝てば、いつもの韓国代表チームなら得意げに狂喜乱舞するはず。しかしながら、ここでバカ騒ぎすると世界中から「やっぱり韓国という国は・・・」と揚げ足を取られかねない。喜びを出来る限り押し殺していたのもうなずけるが、この先もU-20韓国代表は大会で駒を進めるごとに一挙一動が必要以上に衆人監視のもとにさらされる。そして仮に大会優勝を果たせば、いくら慎ましくしていようとも同じ表彰式の場において自分たちの態度と比較される形でU-18韓国代表の犯した〝トロフィー騒動〟の一件が嫌でも再びクローズアップされることになるだろう。

 ちょっとでもはしゃごうものなら、「韓国は反省の色がない」とブッ叩かれるのは必至。兄貴分たちは愚弟たちの過ちによって何とも重い十字架を背負わされるハメになってしまったようだ。

繰り返される韓国選手の「暴走行為」

 とはいえ、これは韓国側が招いた「自業自得」とも言える。韓国のスポーツマンシップの欠如は今に始まったことではないからだ。それが証拠に韓国のスポーツ選手たちは過去に何度か暴走行為を犯し、問題視されている。そして、その多くが「対日」がらみである点も見過ごしてはいけない。

 2011年1月にはサッカー韓国代表MF・奇誠庸(キ・ソンヨン=現ニューカッスル・ユナイテッドFC)がアジアカップ準決勝の日本戦で前半にPKを決めた際、テレビカメラの前でサルの顔真似を行い、大きな物議を醸した。この猿真似は近年の韓国社会で日本人を軽蔑する際に行われる行為とされていたことから、奇が「対日」で日本を侮辱するために人種差別的な挑発に及んだのは間違いない。実際に奇は当日の試合会場でスタンドの旭日旗を見たことで「涙が出た」といい、それで猿真似をしたとツイッターで釈明している。ただその後、関係者の間では「旭日旗はどこにもなかった」とする証言しか得られず、奇の釈明の信憑性には疑問符が投げかけられた。

 2012年のロンドン五輪男子サッカーの3位決定戦では日本代表を相手に勝利した後、韓国代表MF・朴鍾佑(パク・チョンウ=現水原三星ブルーウィングス)が上半身裸になってハングルで「独島(竹島の韓国側呼称)は我が領土」と書かれた紙を掲げ、大きな波紋を広げた。FIFAから政治的パフォーマンスが禁じられているにもかかわらず強行したことで朴には国際Aマッチ2試合の出場停止処分と罰金が科せられている。それでも朴は公然と「日本が嫌い」と言い切り、自らの行為についても「間違っていない」としたのだから勢いでやってしまったのではなく、完全な反日主義者で確信犯だったということなのだろう。

「竹島領有」掲げた朴鍾佑への銅メダル授与が決定

スイスのローザンヌで行われた国際オリンピック委員会(IOC)規律委員会の聴聞会に出席する朴鍾佑(2013年2月11日撮影)。(c)AFP/SEBASTIEN FEVAL〔AFPBB News