(英エコノミスト誌 2019年6月1日号)

米財務省、中国を為替操作国認定せず 「透明性の欠如」は懸念

中国国旗と米国国旗(2011年1月17日撮影、資料写真)。(c)JEWEL SAMAD / AFP 〔AFPBB News

米中両国とも、自分たちを結び付けている絆を完全には理解していないようだ。

 銀行から100ドル借りているなら、それは借り手の問題だ。銀行から1億ドル借りているなら、それは銀行の問題だ――という古いことわざがある。

 この金言は、米国が中国に負っている1兆1000億ドル超のような債務については、何も語っていない。

 この債務証書のおかげで、中国の指導者は影響力を手にしているように見える。

 習近平国家主席が中国人民銀行に米国債の投げ売りを命じ、米国を財政危機に陥れることがあってはならないから、ドナルド・トランプ大統領が貿易戦争の遂行に慎重になる理由になる、というわけだ。

 中国共産党の意向を代弁する人民日報紙は5月29日の社説で、中国は米国へのレアアースの輸出を制限してはどうかと提案した。

 スマートフォンや電気自動車など、数多くの製品に使用される希土類元素のことである。

 こうした最近の脅しと考え合わせれば、中国が今年3月に200億ドル相当の米国長期債を売却したことは、一種の警告射撃のように思われるかもしれない。

 しかし、中国が積み上げた米国債の山は、レーザー誘導ミサイルというよりは銃口が大きく広がった旧式のラッパ銃だ。