金融庁長官も、西武信金を絶賛していた

「信金の雄」と呼ばれた西武信用金庫で、理事長の落合寛司氏が辞任に追い込まれた。5月24日、金融庁から業務改善命令処分を受けての引責辞任。当局が最も問題視したのは、落合氏以下複数の経営陣が開けてしまった「パンドラの箱」の存在だった。

発覚したチャイニーズドラゴン“関係者”と取引

 西武信金は1969年に発足。昨年9月末時点の預金量2兆416億円は、全国261信金中14位の大手だ。2010年6月に落合氏が理事長に就任して以降、業容を拡大している。また、前金融庁長官の森信親氏も落合氏の手腕を高く評価していた。その結果、落合氏は金融庁金融審議会専門委員、経済財政諮問会議の政策コメンテーター委員会委員などの要職を務めるまでになった。

 順風満帆かと思えた西武信金の風向きが変わったのは昨年4月のこと。「かぼちゃの馬車」を運営する投資用不動産会社スマートデイズが破綻し、スルガ銀行の融資姿勢が問題視されると、同様に多額の不動産向け融資を実行する西武信金にも疑念が向けられ、ついには“第二のスルガ銀行”と呼ばれるようになっていった。

 金融庁が昨秋に実施した立ち入り検査では、スルガ銀行ほどの悪質な不動産融資は見つからなかったが、代わりに発覚したのが落合前理事長を始めとした幹部たちの「黒い交際」。それが「チャイニーズドラゴン」との関係だったのだ。