(英エコノミスト誌 2019年6月1日号)

「ジョンソン英前外相は素晴らしい首相に」 トランプ大統領 英紙に語る

ボリス・ジョンソン英前外相(2019年5月30日撮影)。(c)Tolga AKMEN / AFP 〔AFPBB News

ブレグジットはすでに政治の危機だ。遅かれ早かれ憲政の危機にも発展するだろう。

 英国人は自国の「不文」憲法を誇りに思っている。米国やフランス、ドイツは「成文」憲法の国であり、ルールを紙に書く必要がある。

 議会制の母である英国では、民主主義が、アイルランドの独立を除けばクーデターも革命も内戦も経験することなく300年以上栄えてきた。

 政治は国権の最高機関である議会の下で、継続的に修正される慣例や慣習、法律により執り行われている。

 その安定性ゆえに、英国の統治スタイルは何世紀にも及ぶ常識の適用を基礎とする、強固な土台の上に築かれていることを世界に納得させた。

 しかし、この認識は時代遅れになっている。ブレグジット(英国の欧州連合=EU=離脱)の容赦ないロジックが、連合王国の基礎に「憲政のダイナマイト」を仕込んだ。

 そして国を二分する論争が続いている状況で憲法にかかわる改革を行うのは難しいことから、爆弾の信管を抜くためにできることはほとんどない。

 改変可能なうえに強固だとして国民が頼りにしてきた英国憲法が、実際には混乱、分断、さらには連合王国分裂の脅威にまで拍車をかける恐れがあることを、近々思い知らされる可能性が高まっている。

 テリーザ・メイ氏の保守党党首辞任から3日後に当たる6月10日、後任を決めるレースが正式にスタートする。