トランプ氏、アジアに多くの「友人」 安倍首相の対応は「手本」と専門家

千葉県の茂原カントリー倶楽部で、ドナルド・トランプ米大統領(左)を出迎えた安倍晋三首相(右、2019年5月26日撮影)。(c)Kimimasa MAYAMA / POOL / AFP 〔AFPBB News

訪日はただの「息抜き」と皮肉る米メディア

 猛暑をもたらしたトランプ旋風が吹き荒れた4日間。この型破りの米大統領は行く先々で歓迎された。

 「自分が初めて」が大好きなドナルド・トランプ氏は土俵に上がる最初の外国元首になりたかったし、即位後の新天皇に会見する初の外国元首になりたかった。

 だから盟友の安倍晋三首相の招きに応じた。

 北朝鮮の金正恩委員長と会談したのも、会談の中身より金正恩委員長と会談する初の米大統領になりたかったからだ。今回も同じ理屈だろう。

 国賓として日本に上陸したトランプ大統領に同行したCNNテレビ記者の第一報。

 「Sumo, golf, and barbecue」(相撲とゴルフと炉端焼き)

 日米間の懸案はそっちのけで訪日したトランプ大統領を皮肉った。

 ロサンゼルス・タイムズは「Trump lands in Japan, controversy in tow」(トランプ、内憂外患を引きずりながら日本上陸)」と報道した。

 ワシントンから逃げ出すように日本へ「息抜き」に出かけた、と嫌味たっぷりな書きっぷりだ。大統領や首相が一番自分は偉いと感ずるのは外遊して持てはやされる時らしい。

 筆者は鈴木善幸氏に首相当時一番嬉しかった瞬間はどんな時か聞いたことがある。

 「そりゃ外国訪問して日の丸をなびかせて車列を組んで道を走り抜ける時だよ」

 鈴木氏がそう答えてくれたのを今も思い出す。権力の座についた者だけが味わう至福の瞬間なのだろう。

 これだけ異例の厚遇受けたトランプ大統領も東京の町を走り抜けるとき、同じ心境だろうと想像する。