5月1日、皇位継承の儀式のため、皇居へ向かう新天皇(写真:ロイター/アフロ)

 30年間の平成時代が終わりを告げ、「令和時代」が新しく幕を上げた。新しい時代に対する期待と興奮で祝祭ムードに包まれた日本の様子は、お隣の韓国でも主要ニュースで報じられている。

 そこで目立つのが、このムードを日韓関係改善の契機にすべき、という意見だ。これが韓国社会で説得力を得ている。

日本の「お代替わり」は日韓関係修復のチャンス

 平成最後の日となる4月30日、韓国の新聞各社は社説を通じて日本のお代替わりを日韓関係修復のチャンスと生かすべきだと、口をそろえた。

「中央日報」は、令和時代の開幕を迎え、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領が関係改善の意志を示さなければならないとし、次のように主張した。

「さらに大事なことは、両国(日本と韓国)の指導者が対話の姿勢を見せることだ。ただ相手の態度が変わるのを待つのは正しくない。新しい『日王』の即位が転換点になり得る。令和時代の開幕を迎え、世界各国の首脳が祝賀メッセージを送るだろう。

 文在寅大統領も関係改善の意志を込めてメッセージを送ることを前向きに検討する必要がある。そうなれば、6月に大阪で開かれる主要20カ国(G20)首脳会議での韓日首脳会談の実現に一歩近づくことができるだろう。そのまま動力を続けていけば、来年7月の東京五輪の時には2002年ワールドカップの時のように友好ムードを回復することもできるだとう」(中央日報・社説『令和時代の発足、韓日関係リセットの転機にすべき』の一部抜粋)

「東亜日報」もG20会議で日韓首脳会談が開かれるためには、今から両国がムードづくりに努力しなければならないと忠告した。以下、主な内容だ。

「2021年まで政権基盤を固めた安倍総理は世界を回り、全方位外交を展開しているが、その頂点は6月下旬の日本大阪で開かれるG20首脳会議になるだろう。同じ時期に韓国では、強制徴用判決と関連して日本企業に対する資産の現金化が始まる可能性が高い。これは日本政府が本格的な報復措置に乗り出す口実になりかねない。韓日は愛憎の歴史にもかかわらず、相手に対して無視できない地政学的宿命を抱えている。G20会議を契機に韓日首脳が会って、両国関係改善の糸口をつかみ、実務レベルでは強制徴用問題などの難題の解決策を一緒に見つけなければならない。韓日関係のもつれた結び目を解くためには、G20会議を目標に、これから両国が雰囲気を作っていかなければならない」(東亜日報・社説『日本、「令和時代」開幕、韓日関係改善の転換点にすべき』の一部抜粋)