鴻海の郭会長、家出した妻めぐり「後宮は政治に首を突っ込むな」と発言

鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘会長。台湾・新北市で(2017年6月22日撮影、資料写真)。(c)SAM YEH / AFP〔AFPBB News

(英エコノミスト誌 2019年4月27日号)

富豪が推進する大計画は中国のそれではないか、と不安視する向きもある。

 裕福なビジネスマンが強みと負い目の両方を政治の世界に持ち込むとするなら、郭台銘(テリー・ゴウ)氏のそれは並外れた規模になる。

 郭氏は台湾一の富豪であり、その財産は70億ドルに上ると推定される。4月半ばに発表した台湾総統選挙出馬にかかる費用には困らないはずだ。

 また、郭氏よりも多く雇用を作り出したと主張できる人は、世界中を見渡してもほとんどいない。

 母親に借りたわずかな資金で事業を始めた郭氏は、鴻海(ホンハイ)精密工業という世界最大の電子機器受託製造企業を作り上げた。

 米アップルの「iPhone(アイフォーン)」などを製造している同社は、100万人近い従業員を擁している。

 蔡英文政権下でのさえない景気に有権者が苛立っていることを考えれば、郭氏が自分を有権者の願いをかなえる存在として売り込んでいくことは、容易に想像できる。

 しかし、あのような大企業を大きな借りを作らずに築き上げるのは不可能だ。少なくとも、政治的な意味での負い目はあるはずだ。

 郭氏はこの面でも、不足とは無縁だ。