(英エコノミスト誌 2019年3月2日号)
カナダ・バンクーバーの裁判所を去る華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟CFO(2018年12月11日撮影)。(c)CTV / AFP 〔AFPBB News〕
いじめっ子の片方はチーム・トランプだが、習氏の方が怖い存在だ。
中国に駐在するカナダの外交官たちは最近、不愉快な仕事の一つをこなした。
かつての同僚で、現在は中国国家安全当局の手で留置されているマイケル・コブリグ氏に月に一度会いに行く仕事である。
外交官として10年以上活動した後、紛争防止を目指す慈善団体「インターナショナル・クライシス・グループ(ICG)」に加わっていたコブリグ氏は、12月10日に北京の路上で身柄を拘束された。
明かりが常に煌々(こうこう)と灯されている部屋に入れられ、1日当たり最長6時間の尋問を受けている。
カナダ領事との面会は月に1度認められているが、家族に会うことや弁護士を雇うことは許されていない。
今回の訪問では、友人たちが領事らにメッセージの代読を依頼していた(手紙を渡すことは禁じられている)。
コブリグ氏はジャズやブルース、文学の愛好者で――ハーラン・エリスンのSFがお気に入り――、本を1冊受け取ることが許された。
中国の国家安全保障を脅かしているという、何にでも使える理由で拘束されているものの、まだ何の犯罪でも告発されていない。