(英エコノミスト誌 2019年2月9日号)

独立派台湾人の排斥は危険であり、逆効果でもある。
中国の支配者が台湾侵攻を決意するようなことがあれば――ぞっとする話だが、あり得ないことではない――、2つの問いに的確に答える必要が生じるだろう。
第1の問いは、人民解放軍は勝利するのかというもの。台北では、人民解放軍はそのゴールに近いところにいるが「100%確実」に勝てるとは限らないとの見方が定説になっている。
第2の問いは、普通の台湾人は人民解放軍におとなしく従うだろうか、というものだ。
中国の指導者たちは、台湾人の意見を我慢して聞くことがあまりできない。表面的には、2300万人の市民を抱えるこの民主的な島に寛大な提案をしている。
「一国二制度」のかけ声の下、かなりの自治と中国の巨大な市場へのアクセスを約束している。
そのうえ、今から70年前、すなわち中国の内戦が終わり、敗北した国民党が一時的な亡命先になることを期待して台湾へ逃れてからずっと引き裂かれている家族を一つにするという甘い言葉もささやいている。
それでも、台湾を正式に独立させようという企てがあれば、武力を使ってでもすべて阻止するつもりでいる。
中国の楽観論者は、台湾では人口の高齢化が進んでおり、経済成長も減速していることから、時間が味方をしてくれると見ている。