8年目の指揮を執る栗山英樹氏。新著のタイトルを『稚心を去る』とした(写真:高須力)。

 キャンプインを間近に控え、新選手の獲得でもっとも注目を集めるのが北海道日本ハムファイターズである。

 オリックスから金子弌大、台湾から王柏融、ヤクルトから秋吉亮・・・加えて、ドラフトでは夏の甲子園優勝投手である大阪桐蔭・柿木蓮、準優勝投手である金足農・吉田輝星ら注目の選手を獲得した。

 ファイターズといえば、ドラフトで毎年のように注目選手を獲得することで話題をさらってきた。「その年の一番いい選手を指名する」という一貫した方針は広く知られるが、果たしてドラフトに「何を見ている」のだろうか。

 中田翔、大谷翔平、清宮幸太郎ら「一番いい選手」に成長を促してきた指揮官・栗山英樹の新刊『稚心を去る 一流とそれ以外の差はどこにあるのか』には、昨年のドラフトでのある傾向が指摘されている。本稿ではその『稚心を去る』より紹介する。

高卒のショートが競合した理由

  過去のドラフト会議ではほとんど記憶にない、根尾昂(大阪桐蔭高)、小園海斗(報徳学園高)、 2人の高校生内野手に、それぞれ4球団の指名が集中した。根尾はピッチャーとの二刀流で注目されていたが、ポジションはいずれもショート。

 いったいなぜ、そこまで評価が集まったのか?
 
 もちろん、2人が突出した才能の持ち主であることに疑いの余地はない。だが、要因はそれだけではなく、最近の日本球界のトレンドが反映されたのではないかと感じている。

 そのトレンドを決定付けたのは、ライオンズの源田壮亮だ。