(英エコノミスト誌 2018年12月15日号)
ベルギー、ブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)首脳会議2日目の協議の後、記者会見を行うテリーザ・メイ英首相(2018年12月14日撮影)。(c)Ludovic MARIN / AFP〔AFPBB News〕
首相の信任投票は英国観の見直しを促す新たな出来事だ。
英国民が国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めてから30か月たった今、この国の文化的な分断はますます修復しがたくなっている。
政治家は、国をもう一度ひとつにまとめると約束したかもしれないし、ロンドンに拠点を構えるジャーナリストは、離脱に投票する英国で現地の人々が何を考えているかを探るべく国中を駆け回ったかもしれない。
しかし、2年間の不安な日々を経て成し遂げられたのは、残留派と離脱派がお互いを低く評価しているという現状を確認することだけだった。
残留派はこれまで同様、離脱派は育ちの悪い外国人嫌いだと見なしている。離脱派の方もまだ、残留派はお高くとまった俗物だと思っている。
だが、ブレグジット(英国のEU離脱)がたとえ英国内で人々の思考を凍結させてしまったとしても、諸外国では逆に思考を解凍している。
ブレグジットが国民投票で決まる前は、驚くほど多くの外国人が英国に好感を抱いていた。
最初は少しとっつきにくいように見えるかもしれないが――よそよそしいし、君主制やマーマイトといった奇妙なものがやめられない――基本的には分別のある人々だ。
いわく、英国人は実用主義的で、商売志向で(ナポレオンは英国を「店主の国」と評した)、保守的で分別があり、向こう見ずなことには手を出さないタイプだ。