人手を煩わせてきた事務処理を自動化できるとして、さまざまな業種業態の企業へ浸透しつつある「RPA(Robotic Process Automation、ソフトウェアロボットによる業務自動化)」。これまでは大企業を中心に導入が進んできたが、中堅中小企業においてもRPAを導入する障壁が下がってきている。

導入コストや開発スキルなどのハードルを下げる

 中堅中小企業におけるRPA導入を後押しするのは、相次いで登場したクラウドサービスである。

 国内RPA大手のRPAテクノロジーズが2018年6月に、国内外でRPAの導入実績が豊富なアビームコンサルティングが同年9月に、相次いでRPAのクラウドサービスの提供を始めた。これらに先立つ2017年11月には、中国電力子会社のエネルギア・コミュニケーションズ(エネコム)が同種のサービスを開始している。
(参考記事)ソフトウェアロボットで地方経済を盛り上げる
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52926

 RPAはWebシステムやExcelへのデータ入力をはじめ、ビジネスパーソンが日常的に業務で行っているパソコンによる作業を、ソフトウェアロボットが代行することで事務処理を自動化する。定型的な処理を人手より高速に実行できるのが利点だ。

 また、繁忙期など事務処理件数が膨らむ時期でも時間外勤務の抑制が期待できる。加えて、画面やフォーマットの変更などがなければ、ソフトウェアロボットは基本的に処理を間違えることなく正しく実行できる。