お金(資産)は貯める・つくることより、使うことの方が難しいですね。質素倹約を尊重する日本人の特性もありますが、最も大きな理由は、お金を使うことに関する教育をほとんど受けてこなかったことでしょう。“受けた教育”をしいて挙げれば、親の使い方を身近で見て参考にしたり、反面教師にしたりすることぐらいではないでしょうか。

 学習経験が少ないぶん、お金の使い方には、その人のマネースタイル(お金観)が正直に表れるような気がします。気にしすぎると窮屈になってしまいますが、お金を使ったことによる「楽しさ」「お得感」「他人に喜ばれる」がバランスよく得られることが大事ではないでしょうか。そう考えると、総務省が主導して各自治体が展開している「ふるさと納税」は検討に値しそうです。

ここ数年で急増中の受入額と受入件数

 ご存知の方も多いと思いますが、「ふるさと納税」は「ふるさと」でも「納税」でもありません。任意の自治体への優遇税制付き寄付行為です。寄付された金額に応じてご当地特産品をお礼(返礼品)として贈る自治体が多く、それが大きな魅力になっています。この点は株式投資の株主優遇制度と似ている部分があります。

 総務省が2018年7月に公表した資料によると、平成29年度(2017年度)のふるさと納税の受入額と受入件数(全国実績)は、約3653億円(前年度比約1.28倍)と約1730万件(同約1.36倍)となっており、特にここ数年は大きく増加しています(図1)。

図1 ふるさと納税の受入額と受入件数(出所:総務省自治税務局市町村税課「ふるさと納税に関する現況調査結果(平成29年度実績)」)

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