日下 それぞれの地域がカルチャーで群雄割拠しているのが一番楽しいんじゃないかと思っています。「仙台はそんなことやっているの?」「福岡すげえな」「お主やりますな」「お主もやりますな」みたいにお互いがカルチャーをリスペクトし合う状態。そうやって日本各地で独自のカルチャーが群雄割拠したら日本は楽しいんじゃないか、すてきだろうなと思いますね。

広告やデザインにできること

──広告やデザインは地域おこしのために何ができるでしょうか。

日下 広告の一番の仕事は、ある対象からいいところをピックアップして、それを広く告げることです。「こんなの絶対に売れへん」みたいな商品でも、何とかいいところを見つけ出して、広く告げる。それは、対象が商品でも地域でも同じなんですよ。どんなに絶望的に見える地域でも、探せばやっぱりいいところがある。広告はそれを見つけ出して、広く知らしめることができます。

──地方は、広告やデザインをもっと活用すべきですね。

日下 そうなんですよ。ただ、地方では需要があるのにクリエーティブの供給が足りていません。広告やデザインを供給したらもっと地方は面白くなるはずです。だから、都会のクリエーターは、どんどん地方にアイデアを供給しに行ったらいいんじゃないでしょうか。地方だと、企画がわりと通りやすいという側面もあります。特に「東京でうまくいってないな」と感じているクリエーターは、どんどん地方に行ってバッターボックスに立ったらいいと思います。

 

◎日下 慶太(くさか・けいた)氏
 1976年大阪生まれ。チベット、カシミール、アフガニスタンなど世界中を旅をして電通に入社。コピーライターとして勤務する傍ら、写真家、セルフ祭実行委員、UFOを呼ぶバンド「エンバーン」のリーダーとして活動している。『商店街ポスター展』を仕掛け、佐治敬三賞を受賞。他、東京コピーライターズクラブ最高新人賞、ゆきのまち幻想文学賞など受賞多数。また、都築響一氏編集「ROADSIDERS' weekly」でも写真家として執筆中。ツッコミたくなる風景ばかりを集めた『隙ある風景』日々更新中。http://keitata.blogspot.jp