日下 若手に参加してもらうとき、最初に「おもしろいものを作ること」「自分たちが好きなもののみ作ること、プレゼンはなし」といったことのほかに「お店にきちんと向き合うこと」というルールを定めました。自由に作らせてもらう分、それだけはきちんとするようにと言ったんです。取材がすべてだぞと。

──目線が店主と同じですよね。上から見ていない感じがします。

日下 それは意識しました。最近は、広告の目線が高い気がするんですよね。マーケティング理論に偏重しているというか。僕は広告やデザインはもうちょっと目線を下げるべきだと思っています。

自己表現している人が日本のあちこちにいた

──これまで10カ所ぐらいで地域おこしに関わって、どんなことが見えてきましたか。

日下 全国を回ってみて思ったのは、実は地方ってけっこう豊かだし、面白い人が多いということです。僕たちのポスター作りというのは、ある意味、地域の面白い人や魅力的な人の掘り起こしなんです。そういう目線で地域を回ると、面白いことをやっている人がいっぱいいる。そしてみんな、俺はここでやるんだという気概を持っています。

──その人たちは地元の人ですか。

日下 地元出身の人もいるし、移住してきた人もいるし、さまざまです。

──皆さん、どのようなことをしているんですか。

日下 僕が出会ったのは、こだわりの店やレストランを開いたり、ゲストハウスを運営したりしている人。農業をしながら服を作ったり、創作活動をしたり、面白いイベントを仕掛けている人もいます。みんな、なんらかの形で自己表現をしている。アホかというぐらい、突き抜けている人もいます。そして、そういう人の周りにどんどん人が集まってきています。