日下さんの著書『迷子のコピーライター』(イースト・プレス発行)。約300点の作品を掲載

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 このポスターを仕掛けたのは、電通関西支社のコピーライター、日下慶太氏である。新世界市場の「おもろい」ポスターは商店街の知名度向上と集客に大きな成果を挙げ、売上が倍増した店もあるという。以来、全国の商店街から次々と声がかかり、日下氏は各地でユニークなポスターを制作して地域おこしにつなげる活動に携わるようになった(これまでに作成したポスターの数々は、日下さんの著書『迷子のコピーライター』にも掲載されているので、ぜひご覧いただきたい)。

 日下氏は、ポスター制作を通して全国の地域おこしに関わったことで、どのようなことに気づき、何を発見したのか。日下氏に話を聞いた。

「お店にきちんと向き合うこと」をルールに

──これまでポスター制作で関わった地域おこしは何カ所ぐらいですか。

日下慶太氏(以下、敬称略) 大阪を皮切りに、女川(宮城県)、大野(福井県)、大分など10カ所ぐらいでやりました。最初にポスターを作ったここ(新世界市場)で成果が出たので、おかげさまでいろいろなところから声がかかるようになりました。

──新世界市場ではどんな成果があったのですか。

日下 まず、お店の人がめっちゃ喜んでくれました。そして雑誌が来て新聞が来て、テレビも面白いといって紹介してくれた。どんどんメディアに取り上げられて、訪れて来る人が増えました。このポスターってこんなに引きが強いのかと自分たちでも驚きました。

──最初に始めたとき、ポスターの制作料はもらわなかったそうですね。

日下 会社の若手クリエーターの教育・研修として始めたからです。いい勉強になるんじゃないかということで若手に「やる?」と声をかけたら、ほとんどの若手が手を挙げてくれました。だからデザイン料金もポスターの印刷代ももらってないんですよ。ポスターを張るパネルがあるんですけど、もらったのはそのパネル代ぐらいですね。

──ポスターからは、面白さだけではなく、クリエーターと店主の信頼関係のようなものも伝わってきます。店主のことを本当に理解してポスターを作っているのだなと思いました。