(写真:Alamy/アフロ)

 アマゾン・ドットコムは6月28日、処方薬のネット販売を手がける米国の新興企業ピルパック(PillPack)を買収することで、両社が合意したと発表した

買収額10億ドル、年内に手続き完了する見通し

 買収金額など取引詳細については明かしていないが、米ウォールストリート・ジャーナルなどの報道によると、アマゾンは、約10億ドル(約1100億円)の現金でピルパックを買収する。

 今後、規制当局などの承認を経て、今年(2018年)中にも買収手続きを完了する見通しだ。この買収により、4000億ドル超の規模と言われる米国のドラッグストア市場に、直接的な影響が及びそうだと、ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

処方薬を全米に宅配

 ピルパック(PillPack)はその名が示すとおり、処方薬を一包化(1回の服用に必要な複数の薬を1袋にまとめる)して提供している企業。患者が医師からもらった処方箋をネットで受け付け、包装済みの処方薬をハワイを除く米全州に宅配している。

 ピルパックの創業は2013年。報道によると、これまでにベンチャーキャピタルから1億1800万ドルの資金を調達した。また、共同創業者で最高経営責任者(CEO)のTJパーカー氏は昨年11月、年間売上高が1億ドルを突破しそうだと述べていた。

 アマゾンが今後、ピルパックの事業をどのように展開していくのかは今のところ分からない。だが、アマゾンはピルパックのブランドや、仕入網を維持していく考えという。