(英エコノミスト誌 2018年4月14日号)
米下院エネルギー・商業委員会の公聴会で証言するフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(2018年4月11日撮影)。(c)AFP PHOTO / SAUL LOEB〔AFPBB News〕
公聴会での追及の手ぬるさを考えると、その公算は小さい。
「あの人たち、『俺を信用』してるんだよ・・・ばかだよなぁ」
フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は2004年、ある友人にあてたインスタントメッセージにそう記していた。
自分のソーシャルネットワークのユーザーの写真、電子メールアドレス、住所といった個人情報を4000人分も持っているんだ、と自慢した後の発言だ。
ザッカーバーグ氏は、欲しかったらどんな情報でも提供するよ、とうそぶいていた。
さすがに今日ではこんな不埒な言い方はしないかもしれない。しかし、同氏はユーザーのプライバシーを故意に軽視する姿勢からはまだ脱していない、と感じている人は多い。
4月11日には首都ワシントンに赴き、フェイスブックの最新のプライバシー問題について、怒りっぽい議員たちの前で証言した。まず上院の2つの委員会による合同公聴会(約4時間)に出席し、翌12日には下院の委員会でも証言を行った。
オリン・ハッチ上院議員(共和党)がザッカーバーグ氏に告げたように、ハイテク会社がワシントンに呼ばれ、「公の場でこれほど厳しく詮索される」のは、マイクロソフトが独占企業として市場を支配するような行動を取ったことで強く批判された1990年代以来のことだ。
質問者の中には、リハーサルを重ねてきたザッカーバーグ氏の返答に苛立っているように見える向きもあった。だがそれにもかかわらず、公聴会を見守った人々の多くは、少しロボットのようながらもスムーズだった同氏の受け答えに満足した。