(英エコノミスト誌 2018年3月24日号)
ロシア首都モスクワで開かれた、クリミア編入記念日の集会で演説するウラジーミル・プーチン大統領(2018年3月18日撮影)。(c)AFP PHOTO / POOL / Alexander Zemlianichenko〔AFPBB News〕
ウラジーミル・プーチン大統領は権力の絶頂にいるが、ロシアのエリートたちはすでにその後釜を狙っている。
ビデオカメラがとらえた大っぴらな票の水増しは、ウラジーミル・プーチン大統領が刑罰を免れる存在であることを強調するだけのものだった。
3月18日に行われたロシア大統領選挙の公式集計記録によれば、投票率はほぼ70%で、プーチン氏はそのうちの77%を獲得した。もっとも、非公式な記録があったとしても、大した違いはなかっただろう。
この選挙は、大統領を真面目に選ぶ行為というよりは、誰が権力を握っているかを確認する儀式だった。プーチン氏はこの18年で、ただの大統領ではなくツァーリ(ロシア皇帝)になったのだ。
しかし、先の選挙と同じくらい重要なのが、これから繰り広げられる、ロシアの将来をめぐる争いだ。プーチン氏の地位は盤石に見えるものの、ポスト・プーチンをめぐる戦いが今日から始まるのだ。
鳴り響く号砲
現在の法律では、プーチン氏は2024年の大統領選挙に立候補できない。だが、懐柔と容赦ない弾圧を織り交ぜて駆使し、中国で習近平国家主席がつい先日やったように憲法を改正させ、再度立候補できるようにする可能性はあるだろう。
あるいは鄧小平がやったように、裏側から権力を行使することを期待しつつ表舞台から姿を消すかもしれない。
だが、もしプーチン氏が、決意や狡猾さがないことを示し始めれば、任期の終わりとともに脇に追いやられてしまう可能性もある。
ロシアのエリートたちはすでに、後釜を狙って活動している。