民主党の菅直人内閣は、沖縄・尖閣諸島沖の日本の領海を侵犯、海上保安庁の巡視船に衝突し(9月7日午前)、公務執行妨害の疑いで逮捕(9月8日)、送検されていた中国漁船の船長を、処分保留のまま釈放した(9月24日午後)。

砲火を交えない領土戦争だった

 領海を侵犯し、無害でない航行を繰り返した中国漁船の行為は、明らかに日本の主権を侵害したものである。

 また、中国外務省は、中国船長が処分保留で釈放され帰国したことを受けて、「中国の領土と主権、中国国民の人権を著しく侵犯したことに対し、強烈な抗議を表明する」との声明を発表した。

 まさしく今回の事件は、砲火を交えない領土戦争であった。

 民主党菅内閣は、中国政府の「そこまでやるのか」という外交攻勢に白旗を掲げ、敗北した。そこで、この敗北の意味を考え、今後につなげていく方向を考察してみたい。