使命感に満ち満ちた自己過信と自己宣伝
本書を読み解いてみて気づくのは、トランプの自信にあふれる自己過信と自己宣伝だ。
「俺は偉大な起業家だ」「俺は会社をいくつも立ち上げ、収入を稼いできた」「俺は金持ちだ、ただの金持ちじゃないぞ、本当の金持ちだ」「俺の顔がどのくらい多くの雑誌の表紙を飾ったか知っているか」「俺はすごい大学(ペンシルバニア大学)で勉強したんだぞ」・・・。
そして小学生でも分かるシンプルな表現。
「国家というものには2つの種類がある。1つは法治国家、もう1つは法律を持たない国家。そのどちらかしかない」「子供たちは国の将来そのものだ」「だから教育は何よりも重要のだ」
外交についてもシンプルな表現に終始している。
「テロリスト集団ISを粉砕するための俺のプランはこうだ。徹底的に叩いて叩く。ありとあらゆる手段を使って叩くのだ。いったい何が起こったか分からないくらいの速さで行動を起こすのだ」
「ロシアのプーチンは、オバマがまごまごしているうちにシリアでアサド政権と結託し、あれよあれよという間に、中東地域での真のリーダーになってしまった。我々には真のリーダーというものはない」
「アメリカは中東で何十兆ドルを浪費したにもかかわらず、同盟国であるイスラエルを孤立化させてしまった」
「しかもロシアの盟友であるイランと価値のない、危険この上もない核合意をしてしまった。この地域での偉大な調和と世界平和を実現するためだとオバマは言っているが、結果は逆方向に向かいつつある」
「いかにしたらこの不具になったアメリカを立て直せるか。今こそコモンセンスがあり、ビジネス的に鋭い洞察力と眼識とがあるものが指導者としてアメリカを引っ張っていく以外にない。その人物は及ばずながら俺以外にはいない」