北朝鮮、朝鮮労働党70周年パレード 金第1書記が演説

北朝鮮・平壌で朝鮮労働党創建70周年の記念式典に出席した北朝鮮の金正恩第1書記(中央)と、中国共産党の劉雲山・政治局常務委員(右)。韓国の聯合ニュースTVの映像より2015年10月10日撮影)〔AFPBB News

恐怖政治でしか体制固めできない金正恩

 北朝鮮の若い金正恩が金正日から政権を引き継いだ当時、米国にはある種の期待があった。これまでの膠着したアナクロ的な独裁体制から脱皮し、門戸開放政策に転じるのではないのか、といった淡い期待があった。

 だがあれから今年12月で丸4年。その期待は完全に裏切られた。

 国内では粛清に次ぐ粛清。恐怖政治でしか体制固めができない状況が続いている。外交と言えば、核開発、ミサイル開発で何とか米国にその存在を認めてもらおうとする「瀬戸際外交」を堅持する以外にない。

 ピョンヤンから漏れ伝わってくる情報では金正恩は2013年には事実上のナンバーツーだった義理の叔父、張成沢ら側近たちを処刑、2014年には軍の最高幹部、玄永哲・人民武力部長(国防相)を公開処刑している。

 これまでに処刑、粛清された幹部の数は70余人に上るとされている。

金王朝の崩壊か、北朝鮮国家の消滅か

 米情報機関筋からは金正恩暗殺やクーデターの可能性すら指摘されている。

 米有力シンクタンクである「ランド研究所」が2013年、米情報機関などから入手した情報に基づき分析した報告書「Preparing for the Possibility of a North Korea Collapse(北朝鮮崩壊の可能性に備えて)」によれば、崩壊するシナリオは2つあるという。

 1つは「金王朝が崩壊しても北朝鮮という国家は存続する場合」。

 そしてもう1つは「北朝鮮という国家自体の崩壊で朝鮮民主主義人民共和国が消滅する場合」だ。

 同報告書はそれぞれのケースで、米韓がどう対処すべきか、米国への影響、中国の出方など事細かに分析している。