南北合意は「核兵器のおかげ」、金正恩第1書記

北朝鮮・平壌で開催された第4回退役軍人全国会議で演説する金正恩第1書記(2015年7月25日撮影)(c)AFP/KCNA VIA KNS〔AFPBB News

 中国人民解放軍は北朝鮮になぜこれほど冷淡なのか――?

 米国の首都ワシントンでは、中国と北朝鮮との関係に改めて関心が集まってきた。米国の政府内外の専門家たちが中朝関係の実態についてますます力を入れて調査し、分析するようになったのだ。

 その理由は1つは、北朝鮮が再びミサイル発射や核爆発実験を断行しようとしていることだろう。第2には、金正恩政権が目に見えて不安定化し、場合によっては政権崩壊というシナリオも考えられるようになったことが挙げられる。

 以上のことが現実となった場合に中国が北朝鮮をどう扱うかは、米国にとっては重大な関心事なのである。

 万が一、米国も北朝鮮への圧力を増して、金正恩政権が崩壊の危機に瀕した場合、中国はどのような行動に出るのか。金政権の立て直しを図るのか、あるいは見捨ててしまうのか。これは米国の朝鮮政策の中枢課題だと言ってよい。だから米国では、中国と北朝鮮の関係の研究が深く広く進められているのである。

中国と北朝鮮はイデオロギーを共有していない

 そうした研究のなかで、「中国の軍部が北朝鮮をどう認識しているか」という点に照準を絞って綿密な調査を続ける専門家たちが存在する。その1人、若手の中国軍事研究家ネーセン・ブシャムスタファガ氏がこのほど興味ある分析をワシントンで公表した。