去る2月22日、石川県の小松市で地方創生フォーラム(主催:内閣官房 まち・ひと・しごと創生本部事務局)に登壇者として参加しました。 会場は満員御礼の盛況で、地方創生に対する関心の高さが伝わってきました。

満員御礼だった北陸ブロックの地方創生フォーラム(写真提供:筆者)

補助金が「バラマキ」と言われる原因は地方の側にもある

 内閣府大臣補佐官・伊藤達也氏の基調講演では、「まち・ひと・しごと創生」に関して国の考えを聞くことができ理解が深まりました。中でも個人的に私の印象に残った内容は、キラリと光る日本の中小企業を世界市場で伸ばしていき、経済成長を目指すという点でした。

 ドイツには「hidden champions(ヒドゥン・チャンピオン)」と呼ばれる隠れた優良企業があって、ニッチな市場で世界1位になっている企業が現在1300社もあるそうです。

 ドイツは今後の目標として、これを2000社に増やす方向で考えているようです。日本にもこうした「hidden champions」と呼べる企業は現在220社あるそうで、今後、中小企業の成長力に着目して商品開発や販路拡大の支援をしていくことが重要であるとのお話でした。

 また、これまでとは違い、縦割り・一律・短期的な視点で行うのではなく、地域が主役になってPDCAサイクル(計画、実行、点検、改善のサイクル)を回して結果を出せるように進めるということもおっしゃっていました。

 この基調講演では、国も本当に危機感を持っているということが伝わってきました。これはとても良い方向性であると思います。伊藤氏は元々夫婦で宅配ピザ屋を経営されており、その後政界に転身された経歴からも、中小企業に対する思い入れが感じられるお話であったと思います。

 私は現在、新潟県十日町市の中山間地で活動をしていますが、補助金や国の制度は地域の側がうまく活用すればとても良い効果をもたらしてくれるということを実感しています。

 ですが、いかに予算や制度があったとしてもそれを地域の側がうまく使いこなせていないのが「補助金は税金の無駄、バラマキだ」と言われる原因であると思います。