上海に10日間ほど出張した。たまに訪れると、拠点として滞在している北京とは異なった空気を感じることができ、心地良い。

上海市が個人の住宅を無償で改修

史上最大規模、上海万博 ついに開幕!

開幕時の上海万博〔AFPBB News

 万博もあってか、公共インフラが整備されていた。道路は広く、新しくなっていた。特に目を引いたのが、会場付近の住宅エリアが衣替えされていたことだ。政府が公共事業として一方的に改装したのだという。

 上海市民は無料で改装作業が済んだことに喜ぶ一方で、「面子工程」だと皮肉っていた。世界中から来る人々を前に、上海の面子を潰すわけにはいかない、といったところだろう。

 今回は当初、上海万博に絞って書こうと想定していたのだが、やめることにした。会場に滞在したのはたった半日だけで、深くウォッチできなかったからだ。とはいえ簡単な感想だけはまとめておきたい。

 入場者のほとんどが日頃中国から海外に出たり、上海に来る機会にすら恵まれない中級都市からの人で占められており、外国人が予想以上に少なかった。そのため上海市内の5つ星ホテルはがら空きで、逆にビジネスホテルやユースホステルが満員だったようだ。

 万博では、本来列に並ぶことを知らない中国人が3時間とか6時間とか忍耐強く並んでいた情景が新鮮だった。サウジアラビア館が一番人気で6~10時間待ち。日本館も人気があり、3~5時間待ちだった。

中国は大学生がいい!

史上最大規模、上海万博 ついに開幕!

中国人には不慣れ?な行列〔AFPBB News

 そこでは語学堪能で国際視野に富んだ学生ボランティアが1日6時間奮闘していた。北京五輪の時にも感じたが、中国は大学生がいい。

 向上心があるし、何より、すべての機会を生かして経験値を積み重ね、キャリアアップの土台にしようというハングリー精神にあふれている。

 日頃使い慣れた中国語ではなく、あえて日本語で話しかけてみると、咄嗟に日本語だと判断し、はっきりとした英語で「英語を話すことができますか?」と受け答えしてきた。よく訓練されたものだ。

 ほとんどのパビリオンは22時30分くらいまで開いていたのだが、北朝鮮館は18時半で閉館。筆者が到着した頃には既に殺風景だった。隣がイラン館であることをこの目で確認できたことだけが収穫だった。