フィンランド・ノキアの最高経営責任者(CEO)への退任圧力が強まっていると欧米のメディアが報じている。

 高付加価値端末の開発に遅れが生じ、売れ筋商品が利幅の薄い低価格端末にシフトしていく中、米アップルなどのライバルに対抗できる製品戦略を打ち出せない同社は苦戦を強いられている。

会長が後任探しを開始?

ノキアとシーメンス、通信設備などで合併を発表 - ドイツ

ノキアのヨルマ・オリラ会長〔AFPBB News

 米ウォールストリート・ジャーナルは20日付の記事で、ノキアのヨルマ・オリラ会長がオリペッカ・カラスブオCEOの後任探しに動き出したと報じた。既に複数の米国ハイテク企業のCEOと面談を行っているという。

 同社の取締会は7月末までに何らかの意志決定を行うことになっていると、事情を知る関係者が語ったと伝えている。

 カラスブオCEOの去就を巡る観測が流れる中、同氏はCNBCテレビのインタビューに答え、自身に関する様々な憶測について「ノキアにとって良くないことで、どうにかして終結させなければならない」と語った。また後任の人事については「コメントできる立場にない」と答えている。

端末単価の下落が収益を悪化

ノキア、新携帯端末「Nokia N97」を発表

ノキアの携帯端末「Nokia N97」〔AFPBB News

 同社が22日に発表した今年第2四半期の純利益は、2億2700万ユーロで、前年同期から40%の減益となった。

 主力の携帯端末事業の売上高は67億9900万ユーロで同3%増。中国と中南米が2ケタ成長したものの、欧州では1%増と小幅な伸びだ。また北米では16%減、中東アフリカ地域は10%減だった。アジア太平洋地域でも2%減少している。

 端末の単価が低下していることが収益悪化につながっている。同社端末の平均販売価格は、前年同期の64ユーロから61ユーロに下落した。またスマートフォンなどの高機能端末は、前年同期の181ユーロ、前期の155ユーロから、143ユーロへと低下している。