筆者宅付近の満開の桜 右下はイスラムの衣装をまとった女性と子供

 スウェーデンは今、桜前線が北上中だ。

 暖かくなってきたので、近ごろ急増している路傍の物乞いの人たちも、いくらかはしのぎやすいだろうと思う。と言っても、スウェーデンは南北に細長いので、北に春が届くのはまだ数週間先だろうか。

 北部スウェーデンでは、この数週間、難民という地位の認定を求めてハンストを続ける入国者たちがいる。今回は様々な理由からスウェーデンになだれ込む人たちの事情について書いてみたい。

日本人だから簡単に得られた入国・滞在許可

 以前にも書いたが、私が夫となるスウェーデン人男性と会ったのは英国だ。2人でスウェーデンに行くことを決めた時に、在ロンドンのスウェーデン大使館に出向いて担当官と面接をし、これに合格してスウェーデンへの入国・滞在許可を得た。

 このインタビューでは、それぞれが別々に面接官に会い、2人が互いのことをどれだけよく知っているか、2人の言うことに齟齬や矛盾がないかを確認される。具体的に私が聞かれたのは、彼の名前は何というのかから始まって、彼の出身は、どこに住んでいるか、どこでどのように知り合ったのか、これまでの関係はどうであったか、彼の両親の名前は、職業は、などなどだ。

 つまり、2人の関係がスウェーデンに入国することを目論むために取ってつけた、つまり「擬似的な」関係ではないのかを入念にチェックされるのだ。

 インタビューは簡単に終わり、意外なほどあっさりと許可が得られた。が、夫(当時はボーイフレンド)に言わせると、「それは君が日本人だからだ。普通はこんなに簡単にはいかない」そうだ。

 そして実際に「欧州に滞在するために取ってつけた関係を保っている」人たちは、周囲に結構いたような気がする。

 ロンドンにいた時、「私、今日結婚したの」と言う若いスウェーデン人の子がいた。驚いて聞いてみると、何とよく知らない男性と書類上の「婚姻届」を出し、その見返りに「夫」となった男性から結構な報酬を得たということだった。そういったビジネスを仲介する「斡旋屋」がいるので、男性と顔を会わせる必要もほとんどないのだと言う。

「どこから来たの? ボクと結婚したい?」

 日本人女性で、英国人男性に同様な立場で「妻の座」を借りているという人もいた。この座をキープするために、毎月かなりの額をその男性に「上納」しているらしかった。

 周囲の中東やアジア系の友だちに、冗談交じりに「誰かボクと結婚してくれそうな、欧州連合(EU)国籍の女の子知らない? できるだけカワイイほうがいい」なんて言われることもあったし、その後スウェーデンに来た時には、公園で昼間から飲んでたむろする酔っ払いに「キミどこから来たの? タイ? フィリピン? ボクと結婚したい?」などとからまれることもあった。