カリフォルニア州海岸線最南端の風光明媚な都市サンディエゴ市には、アメリカ海軍太平洋艦隊の第3艦隊司令部をはじめとして大規模な海軍関連施設と、映画「トップガン」の舞台となったアメリカ海兵隊ミラマー航空基地がある。そのミラマー航空基地から車で北に30分ほどフリーウェイを走るとアメリカ海兵隊のキャンプ・ペンドルトン基地に到着する。

 「基地」と言っても、第1海兵遠征軍司令部をはじめ様々な部隊の司令部や兵舎、航空基地、レーダーサイト、海軍エアクッション艇基地、各種学校、数多くの訓練施設、長大な訓練用海岸、広大な訓練用丘陵地、それに軍人・軍属の住宅や学校や商業施設などを含む面積およそ500平方キロメートル(大阪市の2倍以上)の広大な土地である。

8回目となる日米共同訓練「アイアンフィスト」

 このキャンプ・ペンドルトンを本拠地にして、アメリカ海兵隊第13海兵遠征隊(クリストファー・テイラー大佐が指揮を執るおよそ1000名の部隊)と、日本の陸上自衛隊西部方面普通科連隊(國井松司一佐が指揮を執るおよそ250名の部隊)の共同訓練「アイアンフィスト 2013(IRON FIST 2013)」が1月22日から開催されている。

アイアンフィスト 2013の開会式(写真:USMC)

 アメリカ海兵隊と陸上自衛隊の共同訓練であるアイアンフィスト(鉄拳)は、毎年この時期にキャンプ・ペンドルトンを中心に実施されており、今年で8回目になる。

 「第1海兵遠征軍は、毎年およそ20の共同訓練や合同行事を各国の軍隊と実施しているが、アイアンフィストはそれらの中で最も規模が大きく重要性が高い訓練である。このことは、日本との軍事関係をアメリカ合衆国が極めて重視しており、日本が太平洋諸国の中でも非常に重要なパートナーかつ友人であることを反映しているのである」という第1海兵遠征軍副司令官メルビン・スピース少将の言葉で、今年の訓練は開幕した。

陸自が水陸両用戦を体感し、米海兵隊との相互信頼も確立

 実際の共同訓練はキャンプ・ペンドルトンだけでなく周囲の訓練地も使って大規模に実施される。