「iPhone 4S」発表、アップル株価は下落

アップル本社で「iPhone 4S」を発表するティム・クックCEO(2011年10月4日)〔AFPBB News

 米アップルが10月4日、アイフォーンの新モデルを発表した。しかし製品名はかねて噂されていた「iPhone 5」ではなく「iPhone 4S」。

 これが単なるマイナーチェンジを印象づけるものだったことから同日のApple株は一時3%下落。米欧のメディアは投資家を失望させたと伝えている。

 同端末は2007年に登場した「iPhone」に始まり、「同3G」「同3GS」「同4」と市場投入され、今回は5代目に当たることから、画期的な改良が施された「5」が登場すると見られていた。

 もちろん新モデルは前のモデルに比べ処理性能が2倍になるなど機能を大幅に強化しているが、この日の発表イベントにはサプライズがあまりなく、期待外れに終わったと伝えられている。

 米ウォールストリート・ジャーナルは、今回の発表イベントは異例ずくめだったと報じている。アイフォーンの新モデルの発表会は、6~7月に行われるのが恒例だが、今回は10月に引き延ばされた。

 また今年8月に会長職に退いたカリスマ経営者、スティーブ・ジョブズ氏は現れず、ティム・クック新最高経営責任者(CEO)が基調講演に登壇した。

 折しも米グーグルのモバイルOS「アンドロイド(Android)」搭載端末との熾烈な市場競争が繰り広げられる中、顧客は前モデルの発売から16カ月も待たされ「5」の登場に期待していた。それが見事に裏切られ、人々を落胆させたというのだ。

iPad 2と同じプロセッサーで処理性能2倍に

 ただ、新モデルの性能を見ると目を見張るものがある。

 「4S」は、現行のタブレット端末「アイパッド(iPad)2」に採用されている「A5」デュアルコアプロセッサーを搭載しており、処理速度が2倍高速になったほか、描画性能も7倍向上。カメラの解像度も800万画素に強化し、音声認識技術も搭載している。

 この音声認識技術はインテリジェントアシスタントという機能を実現するもので、会話口調の音声命令で電話をかけたり、電子メールを送ったり、天気予報や株価情報を確認したり、スケジュールを登録したりできる。