25日のNY市場はドル買いが優勢となった。明日のバーナンキFRB議長の講演内容次第では状況が一変する可能性も残るが、追加刺激策を示唆してくることは無いとの見方が強く、ドルを後押ししている。株式市場が軟調に推移したこともドル買いを誘った。
ユーロドルは見切売りが加速し、一時1.43台前半まで一気に下落する場面が見られた。ユーロに関してはギリシャ支援策に盛り込まれていた民間投資家の債券スワップに関して、まだ同意していない投資家も多く、順調に進んでいないとの観測も出ていた。担保問題と絡んで不透明感から、本日のギリシャ債の利回りは過去最高を更新していた。また、欧州各国が株式市場で空売り規制を実施しているが、仏、伊、スペインは規制を延長し、ドイツも新たな規制を実施するとの憶測もあり(独財務省は否定)、ドイツ株が短時間に急速に売られたこともユーロを圧迫している。
その他、ポンドも軟調。これまで財政問題から緊縮財政を既に実施しているポンドは消去法的に買われてきた面もあった。しかし、その動きも一段落する中、景気動向に関心が移る中ではポンドの風あたりは強い。
◆ドル円、若干注目の動きも
円相場は円売りの動きが強まり、ドル円、クロス円は底堅い動きを見せた。最近はあまり聞かなくなって久しいが、ドル円がクロス円を牽引する上昇が見られている。ドル円は一時77.70近辺まで急速に買い戻される場面もあり、21日線を完全に上抜けている。
21日線を上回るのは8月始めの介入時を除けば7月初旬以来で、果たして上昇トレンドに入るか、若干注目の動きも見え始めている。明日のバーナンキ講演次第ではあるが、目先の上値目標としては78円台後半がメド。7/8-8/19下降波の半値戻しの水準でもあり、また、ボリンジャーバンド上限を超えてくる水準でもある。
(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)