* 本コンテンツは以下講演の【講演動画】と【全文採録記事】で構成しています *
第5回 経営企画イノベーション
基調講演「エフェクチュエーション~「5つの原則」で新しい価値創造・企業変革を起こす~」
開催日:2023年10月26日(木)
主催:JBpress/Japan Innovation Review

「エフェクチュエーション」とは、サラス・サラスバシー教授による意思決定実験により発見され、2001年に発表された、優れた起業家に共通して見られる思考様式です。

 神戸大学大学院経営学研究科准教授で、エフェクチュエーション理論を研究する吉田満梨氏は、この思考様式の特徴を「不確実性に対し、予測ではなくコントロールによって対処すること」だと説明します。これまでは、起業家が大きな成果や新しい事業を生み出すのは、特殊な才能や運に起因すると考えられてきましたが、提唱者のサラスバシー教授によれば、それはエフェクチュエーションという思考様式を適用した結果であり、誰もが学習可能なものだというのです。

 吉田氏は、エフェクチュエーションの特徴を明らかにし、具体的事例として、世界で30億本以上を販売している大ヒット筆記具「フリクションボール」や、マラリアの感染を防ぎ50万人以上の命を救ったといわれる防虫蚊帳「オリセットネット」の開発プロセスを解説します。

 起業家のみならず、既存の企業に勤めるさまざまな職能の人たちも活用できるという、この新しい思考様式。本講演は、不確実性の高い現代のビジネス環境においてイノベーションに取り組む人々に、多くのヒントを与えています。

【TOPICS】

  • 自己紹介――エフェクチュエーションとの出会い
  • エフェクチュエーションとは
  • イノベーションを生み出す人々が直面する問題
  • これまでの経営学が重視してきた考え方、コーゼーションとは
  • エフェクチュエーションの全体プロセスとその特徴
  • 起業家が活用する「エフェクチュエーションの5つの原則」
  • 事例1――消えるボールペン「フリクションボール」の開発
  • エフェクチュエーションによってどのような実践が可能になるか
  • 事例2――世界中で多くの命を救った「オリセットネット」の開発
  • 事例3――創業100年を迎えるメーカー、カモ井加工紙が開拓した新しい市場とは