タイとマレーシアの国境は川で隔てられていますが、川の両岸には、同じマレー系の民族が住んでいます。川の向こう岸に兄弟が住んでいる、友達がいるといった具合です。 この川が国境になったのは、イギリス植民地時代にシャム(後のタイ)とイギリスがそう決めたから。結果、北側がタイ、南側がイギリス領となりました。これが、パタニの人たちの悲劇の始まりです。 川の北側に住む人たちは、タイが近代国家となる過程で、タイ人と同化するよう、タイ語やタイの文化を強要されました。彼らからしたら、ある日突然、タイから植民地支配を受けるようになったという印象だったかもしれません。 そして、1960年代に入ると、タイ深南部のマレー