限られた予算から捻出したせっかくのITリソースが無駄に使われている――。こうしたことが日常化しています。その原因となっているのは、やはり迷惑メール。最近では、添付ファイル付きの迷惑メールなど、1通当たりの容量の増加傾向も指摘されており、お気楽電機のように不要な迷惑メールによって、大切なITリソースが食いつぶされてしまうケースは少なくありません。大量の迷惑メールによってトランザクションが占有されてしまえば、送受信時における遅延やエラー、ひいてはメールシステムのダウンまでをも引き起こしてしまう場合があるのです。また、見落とされがちですが、回線の帯域を圧迫したり、ルータ・ファイアウォールなどのネットワーク機器に思わぬ負荷がかかり、トラブルにつながる場合もあります。こうしたことに備えるには、システム全体の増強や冗長化、コールドスタンバイ機の確保なども検討しなくてはなりませんが、いずれの場合も増え続ける迷惑メールに対して無駄な追加投資が必要となるのです。
サーバ管理の仕事は片手間にできるほど楽な仕事ではありません。特にシステム担当者が、毎日の勤務時間の大半をシステムの回復やそのトラブル対応に追われる場合、その運用管理の負担は大変大きなものになります。日々、手を替え品を替え攻撃を仕掛けてくる迷惑メールに対抗するためには、セキュリティ関連の情報・知識を常に収集するだけでなく、必要があればサーバのOSやソフトウェアに対してパッチの適用も行わなければなりません。さらに障害によってサーバが止まれば、迅速な対応が求められます。その対応も問題の切り分けやメーカー・通信会社への連絡など、煩雑な作業が伴います。お気楽電機の場合では、システム担当者が過労でダウン寸前です。このままいけば、労災リスクまでも抱えてしまうといったことにもなりかねません。