ブラジル・サンパウロで日本人の経営する安宿のドアを叩くと、肥満気味のやり手の女主人が出窓の格子から顔を出した。「ヘヤ、ミテミル?」。彼女は日系2世。少し妙なイントネーションの日本語を交え、古いコロニアルなアパート内の客室へと私を案内する。