こんにちは。世界を旅する犬猫写真家、新美敬子です。猫と犬と、彼らに関わる人々を撮り続けて30年が経ちました。みなさんにも猫と出会う旅を楽しんでいただきたいと願っています。

 猫がたくさん暮らしていて、きっと猫に出会える町が世界中にたくさんあります。観光地としてはあまり知られていないけど、その土地の雰囲気を味わえるお薦めの場所と、そこで出会った猫たちをご紹介しましょう。

 今回前編(1)と後編(2)に分けてご紹介するのはイタリア・シシリー島のエーリチェです。シシリー(シチリア)島はイタリア半島南端のすぐ近くにあり、パレルモ、カターニアなどの都市があります。地中海のほぼまん中にあって、温暖な気候ですが、真冬には冷え込む日もあります。

シシリー島北東部にあるトラーパニ(Googleマップ)

拡大画像表示

 目的地のエーリチェに行くには、まず、トラーパニに滞在します。トラーパニは、シシリー島北東部に位置する町で、美味しい塩の産地として知られています。

トラーパニとエーリチェ(Googleマップ)

 後編では日本からエーリチェまでの行き方も説明しますので、参考にしてください。

 朝、トラーパニ旧市街と新市街の境目にあるバスターミナルから、バスでエーリチェを目指します。バスを待つ間に、挨拶をしてくれた犬は、バスターミナルをねぐらにしているそうです。

 山道を走るバスに乗車したら、できるだけ中央部に座ること。これは、以前スペインのアンダルシア地方を旅した際の経験から、肝に命じています。

 最後部の座席が少し高くなっているので、そこに座れば、見晴らしがきいてよいかなと安易に考えて座ったのが運の尽き。つづら折りのカーブを曲がるたびに大きく揺れます。しかもカーブを曲がりきらないうちに一気に加速。気持ちが悪くなってしまった経験は、いまだに忘れられません。

 トラーパニからのバスは、およそ45分でエーリチェに到着しました。天空の町と呼ばれるエーリチェの標高は、751メートル。サン・ジュリアーノ山の頂上に築かれた町で、歴史は紀元前まで遡ります。山頂には城跡、教会、レストラン、ホテルのほか、多くの住居もあります。

「まぁ、なにこの景色! すごい。眼下に広がるのは、トラーパニの町かしら? あちらは、塩田かしら?」と、パノラマ風景を楽しんでいると、さっそく猫が現れました!

 バスターミナルで出会った犬もそうだけど、猫もちゃんと三つ指をついて(?!)挨拶してくれたのが、とてもうれしかったです。この猫は、頭をゴツンとわたしの足にぶつけ、肩を揉めだの喉を撫でろだのと要求してきました。もちろん、写真を撮らせてくれたお礼を込めて、しばらく遊んでやりました。

 次第に太陽が高くなり、町の路地にも日が当たり始めると、ほかの猫たちもちらほら姿を現します。猫同士で挨拶をする瞬間を見られるのは、とても気持ちのよいものです。

後編(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55387)につづく